平成の関ヶ原の戦い 

平成の関ヶ原の戦いが開戦しました。 

西軍橋本派連合軍 藤井三成と、東軍森派連合 小泉家康との戦いが始まりました。
数の上では西軍橋本連合の絶対的有利の基に開戦いたしましたが、小早川(青木)の
東軍への寝返りによって形勢は一気に東軍小泉家康へと傾き、既に態勢は決したと
言えるでしょう。
 

小泉は歴史小説を良く読んでいるようで、今回の総裁選も司馬遼太郎の本を読み漁り
計画を練ったと話しておりました。

つまり徳川家康の得意の戦法である開戦前の根回しと褒賞の約束等小泉得意の戦法
により西軍橋本派連合の結束を寸断する事に成功したと言えるでしょう。

歴史的な寝返りを打った小早川はその後、家康によって抹殺された事は歴史上明らか
な事です。

今回の寝返りの張本人青木参議院幹事長は政策協定も何も無くただ自分の子飼いの
参議院議員に大臣のポストをいただける約束だけで
20年間続いた橋本派に裏切り行為
を行った事になります。

小生はいずれは派閥は消滅すると考えていましたが、この様な大義名分の無い裏切り
によって派閥が解消される事に日本人独特の「仁・義・礼・智・信」の精神を
あの年代の人も忘れてしまったのかと言う悲しさで一杯です。

歴史は繰り返されると言われています。今回の寝返りは関ヶ原の戦いで歴史的な
寝返りを打った小早川と同じ運命を青木は辿る事になるでしょう。

小泉純一郎は新人類の中でもとりわけ礼儀を知らない利己主義と言われています。

その様な人物から約束された毒饅頭(大臣ポスト)や政策転換の約束は総裁選が
終ると同時に忘れ去られる事でしょう。

勝てば官軍、負ければ賊軍、まさに現在もその通りと言えるでしょう。
何百年前しかも開国前の天下取りの関ヶ原の戦いであれば何の国家戦略、
政策もなしにただ日本の頂点に立つことを目指した戦いで済むかも知れませんが、
21世紀の現在国際社会に置かれている日本の立場を考えると今回の総裁選の争点
で国家戦略・政策無しの戦いにはうんざりさせられます。
 

立候補した4人の政策討論会を今までに数回見る機会がありました。
彼らの討論会での討論は何回聞いても全く同じ事の繰り返しで、まるで
テープレコーダーのスイッチを入れたようでした。
その中で再度自民党の総裁、
そして日本国の首相になる小泉純一郎氏の政策について小生はこのコラムで意見を
述べたいと思います

彼の政策の目玉として郵政民営化と道路公団民営化が上げられます。
しかしながら民営化によって一体何が得られるかと言う事については何も説明される
事がなく、ただ「改革なくして成長なし」と言う言葉だけが踊っています。

いったい彼の言うように民営化することによって日本は良くなるのでしょうか。
小生は決してそうは思いません。 

一つ例をあげて見ましょう。
小生の暮しているニュージーランドでは郵政の民営化に挑戦いたしました。
当時(1995年頃)街中には赤いポストと青いポストが立ち並びました。
赤いポストは政府系、青いポストは民間系でした。
当時は物珍しさもあり、両ポストとも投函する人達の姿を見かけました。
しかし、その現象はわずか1年で勝負がつきました。
民間系の青いポストは投函口が塞さがれてしまいました。
それはいったい何を意味しているのでしょう。
民間が経営した為、赤字路線には極力配達を拒む業者が出て来たからです。
公共性の郵政事業はそれでは成り立つ訳はありません。
人口380万人の小国ニュージーランドでさえ郵政事業の民営化の難しさを体で
感じた結果でした。
 
以前小泉首相がニュージーランドを訪れた時、ニュージーランドの首相に郵政民営化
を日本で行うと言ったとき、ニュージーランド首相はせせら笑ったそうです。

その笑いの意味を小泉首相は理解していなかった事でしょう。
あの時、郵政民営化を経験し失敗したニュージーランドに彼のブレーンを行かせ、
事の成り行きを勉強させる努力をしていれば今回の政策の課題に載る事は無かった
と思います。

郵政の民営化をする前にまだやらなければならない改革は沢山あるのでは
ないでしょうか。

彼の民営化の考えに対しては小泉首相の一番の理解者であるクロネコヤマトの社長
でさえ反対していると聞いています。

問題は民営化の前に公社の中身(人材)の改革から進めるべきだと考えます。 

次は道路公団の民営化についてです。
発展途上国において一番大事な事はインフラの整備、とりわけ道路網の拡張整備が
重要といわれております。

現在ニュージーランドでは高速道路は全線無料となっており、更なる拡張が進んで
います。

そのお陰で今では未踏の地と言われる所まで車で行くことが出来、素晴らしい景観を
新たに発見出来たがゆえ不動産購入者が増えてきております。

不動産購入者が増えると言う事はそれに伴う建設や物販の販売が飛躍的に伸び続けて
おり、第一次産業しかないこのニュージーランドでも経済は右肩上がりの成長を続けて
います。

その事は経済成長率8%と言う驚異的な成長を続けている中国も同じ事が言えるで
しょう。

今、中国では国家戦略として道路網の拡張整備が行われており、後10年もすれば日本の
道路網の倍に近い道路が出来上がることでしょう。

日本は今、小泉首相の政策の基、道路公団の民営化及び高速道路の建設凍結を掲げて
おりますがいったいそれで良いのでしょうか。

景気が10年以上も上向く事も無く、更にデフレ経済に突入している現在、道路公団を
民営化した場合、株式会社日本道路は新たな設備投資を行う事が出来るでしょうか。

小泉政策によって企業は縮小と緊縮財政を余儀なくされ、人員は削減され続けています。
その様な政策を叩き込まれた企業が民営化の後新たな道路を作る事は不可能と言える
でしょう。

そればかりか補修にかかる費用も最小限度に抑える為、日本の道路は戦後のときと
同じようにあちらこちらに水溜りが出来る道路となり下がるでしょう。

 
要するに民営化するしないの問題ではなく、郵政事業民営化と同じように道路公団の
中身(人材)の改革をする事が先決ではないでしょうか。

殆どが人件費で消えている収入をいかに少なくするか?
身内で行っている工事をいかに外部に発注し、安く建設するか?
無駄な路線と必用な路線をはっきり区別出来る線引きが出来るかどうか?
等、民営化しなくてもやらなくてはならない事は沢山あるはずです。
国民の税金で作る道路を何故民営化しなくてはならないのでしょうか。
それよりはいかに無料で利用させるかを考えるべきだと考えます。
郵政の民営化、道路公団の民営化によって節約出来る税金はたかが知れております。
その事によって起こり得る後始末によって更に多くの税金を投入する事になる事は
目に見えております

先進国の日本ではもう道路網は整備されたと思われているようですが、現在の日本国の
経済状況を考えると我々はもう一度発展途上国の原点に戻って見つめ直す必用があると
いえるでしょう。
 

税金の無駄遣いを少なくすると言うのであれば何故民間の銀行が倒産したときに国民の
血税を惜しみなくつぎ込むのでしょうか。

その事こそが税金の無駄遣いと言えるのではないでしょうか。
新生銀行、あおぞら銀行、りそな銀行、その他の銀行に投入された公的資金は今年
6月までに30兆円を越えました。

更に政府は40兆円を政府保証として拠出する準備をしています。
実に70兆円と言う国民の税金が使われようとしているのです。
この税金は無駄遣いといわないのでしょうか?
倒産する銀行に税金を投入する事無く、新たに政府が銀行を設立し、70兆円の貸し
出しを中小企業に行っていれば現在の不景気は一気に解消された事でしょう。

そしてその銀行を民営化する。
その事こそ国民が一番求めている民営化政策と言えるのではないでしょうか。
倒産した銀行に政府が税金を投入した銀行はいったい何をしてくれたのでしょうか。
殆どの銀行が自行の延命資金に費やす事に使っています。
そればかりか新生銀行が1千億円、あおぞら銀行が500億円と言う不明瞭といえる
お金が一部の民間人の手に渡った事実を政府は国民にどう説明するのでしょうか?

決して説明する事は無いでしょう。
それと同じ事が郵政民営化、道路公団民営化でも起こる事は目に見えております。
 
小生が先のコラムで一時国営化された銀行が民営化された時のお話しでもお分かりで
しょうが、両公社が民営化されるときは「打ち出の小槌」といわれる瑕疵担保責任
と言うものが又付けられる事でしょう。

そのことによって民営化を請け負った民間業者はまともな仕事をする事無く、打ち出の
小槌から税金と言う運営資金が止め処も無く入り続ける事になるわけです。

これこそが更なる税金の無駄遣いと言えるでしょう。  

日本国民の皆さん、現在行われている関ヶ原(総裁選)の戦いはこれから日本が
立ち直るか、それとも第三国に成り下がるかの大きな戦いと言えるでしょう。

日本の事、それも派閥の事しか考える事しか出来なく、グローバルな時代に世界に
対する国家戦略を持たない総裁(首相)が選出された時、日本は世界の流れから大きく
取り残される事になります。

 
最後になりましたがアメリカの何でも言いなりになる首相の誕生を待ってました
とばかりにブッシュ大統領が巾着を下げて近じか来日するそうです。

彼の目的は日本のイエスマンの首相から上納金(一時金、5千億円)を受け取る為に
来日する目的があります。
そしてその上納金はイラク戦争が続く限り要求され続ける事でしょう。

上納金だけならまだしも、日本国民の命(自衛隊のイラク派遣の早期要請)までも
ブッシュ大統領は充てにしています。

世界から見放されたアメリカのブッシュ大統領に一番信頼されている次期首相を
日本国民は本当に信頼して良いのでしょうか?

 

日海